二人乗りが許されるのは漫画だけ!自転車保険が適用されない可能性も・・・
青春の一幕としてよく描かれる自転車の二人乗り風景。
ですが、法律的な観点から見れば完全にアウトです。
では、二人乗りで事故を起こした場合、自転車保険はどうなるのでしょうか。
ここでは、自転車のルールやドライバーの責任の重さを再確認すると共に、意外と知られていない子乗せ自転車と保険の関係についてもまとめていきます。
自転車の二人乗りは、「なんとなくやっちゃいけない」とはわかっていても、「まあいいか」とやってしまいがちな行動でもあります。
おまわりさんに見つかった場合、やはり見逃してもらうことはできないのでしょうか?
「荷台がツイているんだから、乗っても大丈夫なのでは?」というご意見もありますが、原則的に自転車の二人乗りは法律で禁止されています。
これを知らずにやってしまうと、事故の際に自転車保険の適用を受けられなくなったりしますのでご注意ください!
実際に、その根拠となる法律をご紹介しましょう。
道路交通法 第57条
車両(軽車両を除く。以下、この項及び第58条の2~第58条の5までにおいて同じ)の運転者は当該車両について法令で定める乗車人員又は積載物の重量、大きさもしくは積載の方法の制限を超えて乗車させ、または積載をして車両を運転してはならない。
ただし、第57条第1項ただし書の規定により、または前条第2項の規定による許可を受けて貨物自転車の荷台に乗車させる場合にあっては、当該制限を超える乗車をさせて運転することができる。
第2項
公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認める時は、軽車両の乗車人員又は積載重要等の制限について定めることができる。
このように、「自転車に何人乗れるか?」については各都道府県の公安委員会が定める規定を確認する必票があります。
例えば、私が住んでいる静岡県ですと「二人乗り」は禁止されており、罰則として「2万円以下の罰金または科料」と定められています。
みなさんも、まずはお住まいの地域のルールをご確認ください!
とはいえ、公然と二人乗りをしている例もありますよね。
実際、私は子供を後ろに乗せて自転車に乗っています。
これも罰金の対象となるのだとしたら、「それならなぜ、子乗せ用の自転車が販売されているんだ!売っちゃいけないんじゃないのか?」ということになりますよね。
これについては、「公安委員会は道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認める時は、軽車両の乗車人員又は積載重量等の制限について定めることがある」と決められています。
これに基づき、次の場合は二人乗りが許可されているんです。
- 16歳以上の運転者が、6歳未満の「幼児」を幼児用座席に乗車させる場合
- 16歳以上の運転者が、幼児二人を「幼児二人同乗用自転車の幼児用座席に乗車させる場合
また、あくまでも努力義務ではありますが、子供を乗せる場合はヘルメットを着用させるように、という決まりもあります。
こういったルールを守ったうえでの二人乗りで事故に遭った場合は、なんら問題なく自転車保険が適用されるはずです。
なぜ、「適用されます」と断定できないのかというと、二人乗りで後ろに乗っている子供の動きなどが原因で事故った場合は補償を受けられない可能性もあるからです。
私も実際に経験していますが、後ろに子供を乗せているとどんな動きをしているのかわかりません。
前の座席であれば注意することができますが、後ろだといたずらしていても気づけないんです。
なんとなくグラグラするなと思って振り返ると、手をぶんぶん振り回していたり、時には頭を半分落として寝ていたり・・・といったこともあります。
自転車も危険な乗り物であること、一歩間違えれば重大な事故につながることを、小さなうちから教育することも親の役目。
もし、自転車の二人乗りで後ろに乗っていた子供がケガをしてしまった場合は、やはり運転者である親の責任が問われることになるでしょう。
しかし、「後ろに乗っていた子供がグズッて自転車ごと転倒した時、子供のケガは自転車保険で補償された」という事例がありましたので、自転車保険に加入していれば万が一の時にも金銭的には安心です。
とはいえ、保険の内容次第では入院や通院の補償が手薄だったりするので、その点は吟味する必要がありますね。
クルマに比べるとルールが甘いと思われがちな自転車。
しかし生死に関わる重大な事故が多発している昨今では、自転車のルールが見直され罰則も厳しくなっています。
特に二人乗りについては事前に勉強しておくべき決まりがいろいろありますので要チェックですね!
- 基本的に、二人乗りは禁止行為である
- 例外があり、子供を乗せる自転車はその典型的な例
- 子供の動作が原因で事故った場合も、自転車保険は適用される
後ろに乗るほうにとっては楽しい二人乗り。
ですが、ハンドルを握る運転者に課せられる責任はクルマのドライバーに負けずとも劣らない重さです。
今一度、その重さを自覚しましょう。
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