末期がんには医療保険だけじゃ不十分!介護保険との併用が不可欠です。
末期がんとは、医師によって「これ以上、手の施しようがない」と判断された状態。
しかし、だからこそ日々をどのように過ごすかが余命を左右します。
周りの人間はどんなことをしてあげられるのか?また、国の制度としてどんなサービスを使えるのか。
ここでは、「末期がん」と診断された場合の医療保険の使い方、介護保険との使い分けについて調べてみました。
誤解されがちですが、「介護」とは高齢になった方のサポートに限定されるものではありません。
末期がんで身体の自由が利かなくなった場合にも、公的な保険で「介護」を受けることができます。
介護(例えば訪問看護)が必要な状態になった場合、利用できる公的な保険としては「介護保険」と「医療保険」があります。
介護保険は、基本的には「状態が安定している高齢者」のために作られたシステム。
特別な投薬などは必要なく、食事や入浴、トイレといった基本的な「生活」をサポートするためのサービスを受けるための保険と言えるでしょう。
一方、医療保険は“医療”という色合いが強くなります。
たとえば、痛み止めのモルヒネを打ったり、気管支拡張剤や酸素吸引を施したり。
末期がんの場合、介護の内容としては圧倒的に医療行為が多いため、基本的には「医療保険」が適用される形になるわけです。
こちらのサイトに、訪問看護を利用する場合の「介護保険」と「医療保険」の適用基準が図式されていますが、「末期がん」は厚生労働省が指定する疾病の一覧に入っているため、年齢問わず医療保険が適用されることがわかります。
⇒ 訪問看護システム iBow 「介護保険と医療保険、どちらをつかう?」
しかし、もともと介護認定を受けて“介護保険で”訪問看護を受けていた方が末期がんと診断されたどうなるのでしょうか。
医療行為だけではなく入浴やトイレのサポートも必要なのですから、介護保険と医療保険の両方を適用できるのが理想的です。
これについては、「特例」としての措置があり、介護認定を受けている末期がん患者は医療保険の訪問看護も利用できることになっています。
つまり、入浴や食事など日常生活のサポートも継続させつつ、自宅での医療行為も受けられるというわけ。
訪問看護の日数は「週3日まで」という縛りがありますが、この場合は「4日以上の利用も可」とされています。
「残された日々は自宅で過ごしたい」という希望を持っている方にとっては、心強い特例ですね。
ただ、介護認定は「申請してその日のうちに認定が下りる」というほど単純なものではありません。
場合によっては1ヵ月もかかってしまうこともあるので、早め早めに動くことが大事。
末期がんで入院している場合は、早めに申請を出して「自宅に戻る前」に認定を受けることを目指しましょう。
そうでないと、介護保険で受けられる訪問看護が受けられず、本人も家族も大変な思いをすることになってしまいます。
介護用の器具(例えばベッド、患者を持ち上げるためのリフト)は介護保険を使ってレンタルすることになりますので(そうでないと高額!)懐事情を考えてみても最初から介護保険が使えるのが理想的です。
申請については入院している医療機関はもちろんのこと地域包括センターや市役所の窓口でも相談を受け付けています。
末期がんの場合は申請手続きを優先してもらえるという情報もありますので、とにかくスピード重視で動くことが大事です。
末期がんと診断された場合の「保険」のシステムについて見てきました。
ポイントをまとめます。
- 介護保険と医療保険では受けられるサービスの内容が異なる
- 末期がんの場合は両方適用できるのが理想的
- 介護保険の認定には時間がかかる。急ぐべし!
末期がんと診断されたら、迷ったり悩んだりしている時間はありません。
残された1分1秒を無駄にしないためにも、使えるものはしっかり使ってご本人にとって最善の状態を提供することを目指しましょう。
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